メキシコの「死者の日」


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イウィリ(メキシコ)&朋

 

イウィリ(メキシコ)
イウィリ(メキシコ)

メキシコには死者の日( Dia de Muertos)と呼ばれる祝日があります。死者の日は家族や友人が集まり、故人への思いを語り合いお祝いをします。日本でいうお盆のような感じです。11月1日が子どもの魂で、11月2日が大人の魂が戻ると言われています。

オフレンダと呼ばれる祭壇を作り、故人の写真や十字架、死者の花であるオレンジ色のマリーゴールドできれいに飾りつけをします。死者に食べて飲んでもらうご馳走やお酒が供えられます。祭壇でみられる伝統的なものとして、死者のパン(丸くて真中に丸い突起があり、十字に印がついていたり、クルミやいちじくが入っていたり、ほんのりオレンジの味がする素朴な味のパン)や砂糖細工で作られたガイコツや果物、キャンドル、カラフルな切り絵などで色鮮やかに飾りつけられます。

このオフレンダは家の玄関だったり、町の中心の広場や公園に作られます。サイズは小さいものからとても大きいものまであり、たくさんの人々がそれを見に町にくりだします。墓地も派手に飾りつけをして、盛大にお祝いをします。そしてハロウィンのように子ども達は仮装して近所にお菓子をもらいに行きます。大人達もお茶目で可愛いガイコツに仮装し(顔を白く塗り、目の周りは黒く塗る)歩き回ります。

なんでもかんでもガイコツをモチーフに色々なおみやげも売られています。ガイコツの人形や、ガイコツの絵のTシャツ、そしてお菓子などがあります。

メキシコの「死者の日」はとても明るく、盛大なお祭りです。せっかく死んだ人が戻ってくるので、にぎやかにしようという感じなのです。この先住民色がとても濃く、景観も独特なことから、たくさんの観光客が訪れます。2003年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されていて、1年の中で最もメキシコらしさを感じる行事の一つかもしれません。

公園墓地に色鮮やかに飾りつけされた祭壇。故人は歌手だったのか、ギターが祭られている。「裕福な家庭であれば、音楽を愛した故人のためにマリアチ(楽団)を呼んで演奏をしてもらうこともあります」とイウィリさん。