世界の珈琲いろいろ

世界の珈琲いろいろ~コロンビア編~

普段、コロンビア人は「コーヒーを飲みませんか?」という代わりに、「ティントを飲みませんか?」という言い方をよくします。 “tinto”はスペイン語で「赤」をあらわす言葉ですが、コーヒーと同じ意味で使われます。
  コーヒーの飲み方のひとつにパネラ(ブロック状の黒砂糖~サトウキビの砂糖~)を入れるものがあります。”tinto campesino” (英語でcoffee of the farmer 、農民のコーヒー)という名前のコーヒーです。パネラは農民にはなじみがあり、精製された白砂糖よりも簡単に手に入る甘味料です。とても甘くてコクがあり、農作業をする前に飲むとエネルギーを補給できます。私も、旅行で田舎や山に行ったとき、朝一番に飲むコーヒーです。
 カフェ デ コロンビア(コロンビアコーヒー)のロゴマークには伝統的なコーヒー生産者の姿が描かれています。
ラバ…コーヒー農園は山の上にあるのでコーヒーを町まで運ぶのがたいへん。その点、ラバはとても強く、長時間働けるので最適です。背に重いコーヒー豆の袋を乗せて運びます。
男性…実在の人物ではなく、コロンビアの伝統的なコーヒー農民を表しています。帽子は日よけ。日差しが強く暑いので、快適にしてくれます。昼は半そでのシャツを着てスカーフ(ポンチョ)を肩にかけておき、夜は気温が下がるので長そでにしてスカーフを広げて使います。カリエールという小さなバッグの中には、町にコーヒーを売りに行った時に使う財布などが入っています。口ひげはフレンドリーで親しみやすいイメージです。(ハビエルさん/関西国際センター研修生、協力:Tさん、Nさん)

カフェ デ コロンビア(コロンビアコーヒー)のロゴマーク。男性はフアン・バルデス、ラバはコンチータという名前だそうです
*このマークはコロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)-FoNCの商標登録です。

世界の珈琲いろいろ~エリトリア編~

 世界中で受け入れられ、それぞれの国の文化と結びついて、さまざまな飲み方をされているコーヒー。各国のコーヒー事情を聞くシリーズです。

エリトリアには、「コーヒーセレモニー」という日本の茶道のようなコーヒーを飲む作法があります。それは、お祭りやお客さんが来たとき、また家族だけのときにもします。コーヒーを入れるのは女の人(主にお母さん)で、ロングスカートで、低い椅子に座ります。
①花や草を床に敷きます。
②お香(ITAN)を焚きます。
③お茶うけとして、ポップコーンを用意します。
④コーヒー豆を煎って、香りをみんなでかぎます。
⑤豆をつぶして、水といっしょにポットに入れて火にかけます。
⑥コーヒーは3杯飲みます。1杯めをKEDAMEYTI、2杯めをDEREJA、3杯めをBEREKAといいます。1杯めがいちばん濃く、だんだん薄くなります。

世界の珈琲いろいろ~ドイツと周辺諸国編~

世界中で受け入れられ、それぞれの国の文化と結びついて、さまざまな飲み方をされているコーヒー。各国のコーヒー事情第2弾です。


ドイツや周辺のドイツ語圏諸国では、寒い季節にコーヒーにアルコールを入れたものがよく飲まれています。「カフェシュナップス」と呼ばれ、スキーのときなど、冷えた体を温めるのにとてもいいです。いろいろな種類があります。

・ディプロマテン・カフェ(ドイツ)
予熱したカップにエッグリキュールと一緒にコーヒーを注ぐ。ホイップクリームを乗せ、カカオパウダーをふる。

・カフェ・ルッツ(スイス)
うすいコーヒーに、りんごと洋なし、梅やチェリーの果実酒と多めの砂糖を入れたもの。

・マリアテレジア(オーストリア)
モカ(濃いコーヒー)にオレンジリカーを入れたもの。ホイップクリームとキャンディをトッピングする場合もある。

・フィアカ―(オーストリア)
名前は2頭立ての馬車の意味で、濃いコーヒーにチェリーブランデーかラムを入れる。持ち手つきの大きなグラスに注がれる。

(クラウディアさん/ica日本語教室学習者)