日本語指導者養成講座レポート

第12期日本語指導ボランティア養成講座修了

ica volunteer Japanese teacher training program

 11月に始まった日本語指導者養成講座。2月27日、14名の学習者が修了しました。修了式後には講師や現指導者の方々との懇談もあり、これからの指導に向けていろいろな話もできました。

 受講生の皆様の熱意、模擬授業でのさまざまな創意工夫に、大いに刺激を受けました。言葉について考える材料は、日常の至るところにあります。これからの皆様の御活躍をお祈り致します。私自身も更に日本語や日本語支援、また多文化社会のあり方について、考え学んでいきたいと思います。(本講座講師 澤田直子)

 最初は先生と生徒ですが、だんだん年のちがうお友達の様になれ楽しんでいます。出会いを大切に楽しんで下さい。(日本語指導者 畑崎ヒサ子)

 何気なく使っている日本語の奥深さを知ることができました。普段考えないことを考えることは、使わない筋肉を使うこと、と先生が言われていましたが、とてもそれが新鮮で楽しい学びでした。これで終わりではなく始まりなのでしっかり勉強を継続し楽しみながら活動していきたいと思います。(受講生K.N.)

おしえて先輩!~日本語指導ボランティア養成講座2018~   


ica volunteer Japanese teacher training program


 養成講座が始まって2ヵ月。1月からの模擬授業を控えた受講生のみなさんの疑問・質問に、icaで現在指導にあたっている”先輩”が答えました。

Q:ひとりの学習者に、日本語をどのくらいの期間教えますか?
A:学習者が日本語を勉強する目的によって、様々です。仕事が決まり、短期で終了する人もいますし、14年余り続いたクラスもあります。3カ月~1年ぐらいの人が多いですが、学習者の事情は変わりやすいので、勉強がスタートする時点では、予測が難しいです。(事務局)

Q;文化の違いを感じたのは?
A:ジェスチャーを交えて話すとき、NGなジェスチャーがあること。(M)
A:シャワーだけ使用する国は、風邪で熱があってもシャワーを浴びる。宗教によって、厳しい食べ物の制限がある (仏教は精進料理。豚肉がダメなど)。 一夫多妻の国がありますが、「私は3人目の妻の子供です」と聞いたとき。(Y)
A:言いにくいことも、はっきり言わないと通じないなと思います。忖度するのは、日本人だけなんだなーと。(T)
A:英国の人、中国の人、バングラデシュの人と3人担当しましたが、幸いなことにありませんでした。鈍感なのかもしれません。(K)

Q:指導していて、「これは困った」ということは?また、その場をどのように切り抜けましたか?
A:普段なにげなく日本語を使っているので、生徒さんの文章を直してあげるのが、難しいです。言いたいことは、分かるのですが、何かおかしい日本語になっていてどこを直してあげたらいいのか分からなくなります。全部直す方が簡単です。「おかげさまで、ちっと頭が痛いので休みます」などです。質問などで、説明しきれないときは、次までに調べてきますと言います。(T)
A:難しい言葉を説明するときに、日本人に説明するのと同じような説明の仕方をすると、説明に説明をしないといけなくなるときがある。(M)
A: 教え始めの頃は、特に多く、ジェスチャー、絵、本、板書で説明し、それでも理解してもらえないときは、次回までに調べて、答えますねと言って切り抜けます。(Y)
A:日本語の文法について、「どうして?」と時々聞かれますが、学習者に納得出来る答えが上手く説明できないことも多いです。「覚えてください。慣れることです」と言ったこともあります。(M)

日本語指導者養成講座スタート!2018

ica volunteer Japanese teacher training program

 第12回日本語指導者養成講座が11月7日(水)に開講しました。来春デビューを目指す14名の受講生には、指導者不足解消の救世主として、期待がかかっています。


~受講生に聞きました~ 受講のきっかけは?

●日本語指導の方法に関心があったから●仕事を定年退職し、なにか人の役に立つことがしたいと考えて●国際交流のきっかけになると思った●講座卒業生の先輩に勧められて●母国語を教えるのは簡単にできるのではないかと思ったから(甘い考えだったかも…)。日本語を通じて、日本を好きになってもらえたら●自分の視野を広げたい●興味を持ったことに挑戦したい●いろいろな国の人と接してみたい

第11期日本語指導者養成講座修了

ica volunteer Japanese teacher training program
9月15日


  外国人への日本語指導とica日本語教室について学び、icaに溶け込むことを主眼に、6月に始まった第11期日本語指導者養成講座。9月15日に修了式を終え、10名の指導者が新たに誕生しました。

※修了式の後、先輩指導者との交流会を行いました。

模擬授業の様子
模擬授業の様子。ica日本語教室の”現役”学習者が生徒役を務めました。

<受講生の感想 (抜粋)>

日頃何気なく使っている日本語をこんなに考えてみたことはなかったので、講義の最初から“ガーン”と一撃をくらいました。こんな私で4カ月間のプログラムについていけるのかと心配で…。関連の本を読んだり、ハードな夏を何とかのりきれたかな?と思っています。(O.H.)

日常では何も考えずに遣っている日本語の難しさを実感することができました。(A.Y.)

模擬授業は自分の発表以外は楽しませていただきました。模擬授業後に1?2回、復習も含めて授業があればいいのではないかと思います。(Y.E.)

何気なく使っている日本語を改めて考えるということは、とても新鮮でした。と同時に、教えるということの難しさを知ることができました。まだまだ教える領域にいたっていませんが、一緒に成長できたらなと思います(T.Y.)

最初は不安がいっぱいでしたが、授業見学に寄せていただき、3教室を参観させていただく中で、その生徒さんに合う事をしてあげたらいいのだとわかり、これなら自分にも何か1つぐらいは他人のためにできるのではないか、と確信に変わっていく気持ちが自分でわかってきました。(K.K.)

日本語指導者定例会

Japanese volunteer teacher’s meeting
8月4日(金)ica


 本年度の第2回日本語教室定例会が開催されました。日本語指導者養成講座の受講生5名も参加し、先輩指導者のみなさんの体験を聞いたり、アドバイスを受けたりしました。

定例会のようす
定例会のようす

<先輩指導者のお話から>

●勉強の目的を見極める
学習者ひとりひとり日本語を勉強する目的が違うので、その目的を見極めること。日本語を使う機会が他にないので、話し相手を求めている場合も多い。ときには、愚痴の聞き役になることも。その人の生活に何が必要なのかを考える。

●媒介語がない場合は?
スマホの翻訳アプリを使ったり、絵カードを活用する。電話連絡が難しいので、休みの連絡などは、ルールを決めておく。

●臨機応変に
初めから指導のスケジュールをびっちり立てても、その通りには進まない。進み具合を気にしない。

●触れてはいけないこと
宗教の話は避ける。個人的なことを初めから根ほり葉ほり聞かない。
何でもオープンに話す学習者もいるが、その場合は、聞き役に徹する。