日本語教室よもやま話

にほんご教室 My classこんな工夫をしています

「うんこを頭におく」。教室から聞こえてくる声に、事務局員も思わず吹き出してしまいます。昨年大ヒットとなった「うんこ漢字ドリル」のような例文で周恩駿くん(中国)を指導する松本さんにお話を伺いました。

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授業中の松本さん(左)と周恩駿くん。(右)ホワイトボードにはうんこの絵がいっぱい

万国共通!?

◆恩駿くんは、4月から小学生ですね。
松本: はい、入学準備のため、1月からicaでの勉強を始めました。

◆あの例文はどこから?
松本: この年齢の子どもは「うんこ」という言葉にすごく反応を示しますよね。たまたま最初の授業のとき、「大きい/小さい」を教えようとして、ぞうとねずみのうんこの絵を描きました。すると、そのうんこの絵にとても反応がよく、覚えるのも早かったんですね。それからは、うんこを絡めながら説明しています。子どもがうんこが好きなのは、世界共通ですね。うんこが出てくると表情が違います。恩駿くんの反応を見ながら、興味のありそうなものを取り入れて、語彙を増やしていくようにしています。うんこを「いっこ、にこ」と数えたら、「じゃあ、次はえんぴつは?ねこは?」という感じです。ひとつの言葉から、その場のひらめきで、どんどん発展させていくので、連想ゲームをしているようです。楽しく覚えてくれるといいですね。

 

日本語教室よもやま話

Short story about Japanese class


約2年半の学習で、メキメキと日本語が上達しているベンジャワンさん。先生と季節の行事についてお話をすることも多いそうです

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タイについてもっと知りたい

澤田 直子

icaで2015年7月からタイ人の竹下ベンジャワンさんを教えています。真面目でいつも時間通りに来て、よく勉強する人です。彼女の仕事はシフト制なので、月末に次の月のレッスンの予定を相談しています。7月の試験でN5に合格。今度はN4に挑戦。といってもまだ『みんなの日本語』?の途中なので、今回は練習。この次はぜひ合格してほしいです。
タイのプミポン国王が亡くなった時には、彼女は黒の服に黒のリボンを付けていました。やはり、国王が人々にとても敬愛されていたのだということがわかりました。
今はスマートフォンで何でも調べられるので、便利です。お月見の話をしていて、里芋を醤油で煮ると言うと、彼女はびっくり。スマホで調べて、砂糖をまぶした里芋を見せてくれました。お菓子として食べるとのこと。これから私もタイについて、もっと知りたいと思います。

 

icaでべんきょうして

竹下 ベンジャワン/タイ

icaでべんきょうしています。とても嬉しいことです。せんせいはがくせいにしんせつです。いまわたしは日本語を話すことをおそれていません。日本語や日本について、新しいことをおぼえます。icaでは日本の文化についてもおしえています。多くの活動があります。着物を着る、餅を見るなど、新しい経験をしました。これからも、日本語や日本の文化について、いろいろ知りたいです。(原文ママ)

日本語教室よもやま話

忙しい仕事の合間をぬってicaで週2回勉強しているセンさん。戸高先生の授業では、硬軟さまざまなテーマを取り上げているようです。

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センさんと日本語を勉強して

戸高 等

 センさんとの授業を受け持って、4年程になります。彼女は台湾南部の出身で、台北の大学で日本語を学んでいて、その後郷里に帰り、日本相手の会社に従事するなどして、最初からある程度日本語の基礎ができていました。しかも非常に勉強熱心で、icaでは私の授業のほかに、村上先生からも授業を受けています。
私の方の授業は、最初のころはともかくとして、今は日本語の勉強というよりは、日本の事をもっと知ってもらおうという思いから、日本の時事・政治・経済・歴史・地理など、彼女が興味をもちそうな事を教えています。主に、新聞記事の切り抜きを使って教えていますが、特に台湾に関する事項は喜んでくれます。また、外国の観光客を相手にする土産物販売の台湾系の会社に勤めているようですが、職場でいろいろな”なやみ”があるようで、人生相談的なこともやっています。最近、管理職になって、はりきってがんばっているようです。

 

戸高先生と出会って

セン エキジュ/台湾

 最初、先生と会った時に、私は日本語が下手なので、うまく通じなくて、ショックを受けました。
先生が私の程度をよく知っていて、先生が作ったプリントから教えていただきました。今は私の希望に従って、「天声人語」を勉強しています。私が興味を持っているだろう文章を、先生はいつもひとつひとつ選んでくれます。それで、私は日本の物事がわかるようになりました。例えば、222は猫の日とか、政治とか、国際事件とか、毎週先生との勉強を楽しみにしています。
知識だけではなくて、いつも、私の悩み、困った事を聞いて、男性としての意見を出してくれます。それは、30代のわがままな私の意見と大きく違います。
日本に来てから、いろいろなことがありました。もし、先生がいないと、今の私ではないと思います。先生に会えて今の私が好きです。(原文のママ)

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Short story about Japanese class

ica日本語教室のペアにはびっくりするくらいのベストマッチングになっていることが時々あります。葛城さん王さんクラスもその一つ。学習を始めてみるとお二人が同じ郵政関係の仕事に就いていたことがわかり、話題の共通項が広がったそうです。

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「着付け練習のモデルになった私たち」。ご満悦の葛城さん(左)と王さん(右)。ひなまつりイベント前にicaにて

 

“漢字文化”と“ひらがな文化”

葛城 肇

 北京出身の王さんは母国の大学在学時、京都の専門学校との交換研修生として情報(IT)処理を学び、大学卒業後、広島大学大学院の情報工学を専攻・修了。岡山の企業に勤めたが、中国郵政航空に転職。転勤で関空の大阪支店に。よって日本語は堪能。その上、ビジネス英会話教室にも通う勉強家で礼儀正しい青年。そんな優秀な彼と昨年の8月からビジネス会話やビジネス文書の企画・立案を一緒に学んでいるが、適当な教材探しに腐心している。
教材は専ら大阪のビジネス街にある大阪府立中之島図書館で物色。『ITエンジニアのための通じる文章にする五つの力』『正しいビジネス文書の書き方』『コンペ・入札で勝てる提案書』等々と雑多。私も勉強になっている。
王さんとの学習の中で「舌をまく」ことが再々ある。それは、比喩的な表現や質問された文言を説明する場合、その文言がいつ、誰が、どこで、どのような場面や感情の折りに使われるかをいくつかの例で説明しながら、他に端的な表現がないかを常に考えているが、私より先にまさにその文言の意味に相応しいと言える言葉や単語が飛び出す。王さんの頭の中には「ひらがな文化」を「漢字文化」に変換(?)する機能が備わっているのではないかと思うことがある。
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さて、彼には悪いが彼の人となりの一面を次のショートメールのやりとりから。
私のメールに対し「かしこまりました…」。私「『わかりました』が普通です。またどんな場面で使うか勉強しましょう」。彼「美味しくお召し上がっていただけとても嬉しいです」。私「ご丁寧なお言葉を頂戴しましたこと恐縮至極に存じます」。

 

日本語上達のチャンス

王 篠舟(中国)

 2013年5月に私は再び来日しました。普段、会社での仕事は日本語を中心に話しておりますが、本格的に日本語を勉強した経験がなかった為、日本語を上達させるチャンスをずっと窺っていました。icaを知ったきっかけは今通っている英語スクールで、icaのポスターを偶然に見かけたからです。icaのホームページを開いて見たところ、日本語レッスンをやっていることがわかりました。icaの事務室を訪ねたところ、今の葛城先生を紹介していただきました。葛城先生は元郵政グループの幹部であり、定年後も色々な場所で活躍しており、とても素晴らしい先生です。葛城先生に教わる日本語学習の内容はテキストに拘らず、日本の文化を始め、さまざまな知識、習慣、日常の出来事を紹介してくれました。非常に役に立ちます。icaでのレッスンはまだまだ短いですが、これからも一層努力していき、日本語でのビジネスコミュニケーション能力を高めていきたいです。(原文のママ)

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Short story about Japanese ?class

 


 山崎さんの息子さんが黄さんと同じ歳ということもあり、山崎さんと黄さんは、まるで親子のように仲のいい2人です。予習復習を欠かさない黄さんは、日本語がメキメキ上達してきています。

写真下)「山崎先生(写真左)と話すときの日本語はだいたいわかるようになりましたが、テレビから流れてくる日本語は鳥の鳴き声に聞こえます」と黄さん

黄さんの学習目的に合わせて

山崎 静子

昨年の5月から中国(ハルピン出身)のコウ・シンさんと日本語の勉強をしています。ひらがな、カタカナは中国で勉強をしたと言う事で理解はできましたが、会話は挨拶ができる位でした。私もしばらく日本語指導から離れていたので、コウさんと一緒に一からスタートをする事にしました。不安いっぱいでしたが、コウさんの笑顔、努力、前向きさで少しずつコミュニケーションもとれてきました。
夏頃、コウさんから「アルバイトに行きたいのですが…」と言われた時は正直驚きましたが、「コウさんなら大丈夫かな?何とかなるだろう」と思いました。何度も面接の練習をしたかいもあって、アルバイトに採用されました。今では皆から「コウちゃん」と呼ばれ、アルバイト先の戦力として頑張っています。
コウさんと勉強を始めてもうすぐ1年になります。初めの頃はコウさんの希望で「みんなの日本語?」を中心に勉強をしましたが、アルバイトに行きだした頃から、日常会話にも重点を置き少し勉強方法を変えました。
スーパー銭湯、日本食等、日本が大好きなコウさんです。日本文化の体験をしたり、友達を作ったり、日本での生活を楽しんでもらいたいと思っています。

 

先生は最良の友だち

黄シン (中国)

皆さん、こんにちは!私は黄シンです。昨年3月に中国から来ました。あの時の私は日本のことをよく知りませんでした。日本語は全然わかりませんでした。
5月にicaに来てから日本語を勉強しています。私の先生は山崎静子先生。日本語の知識の勉強から日本の風習、本当の日本を理解できました。1年が過ぎても、雨が降っても、8月の暑い日でも先生は休むことなく時間通りに授業に来てくれます。私は先生と、学生と教師だけでなく、最良の友です。