icaはベビーブーム~各国出産事情~

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少子化の中、ベビーブームのica。日本語学習者のみなさんに出産について聞いてみました。日本の医療システムはすばらしく安心できたという声が多い一方で、言葉や習慣、考え方の違いに戸惑いを覚えたという感想もありました。


10年近く前に市民病院で出産。その頃の病院食は御飯も冷たく、パンと牛乳など簡素な食事。韓国なら温かいご飯やワカメなど体にいい食事なのにと思った。(匿名/韓国)

 

日本で出産したが、その前に北京の友だちに出産事情を聴き情報収集をした。
中国は病院の受け入れ人数がオーバーすると受け入れてもらえない。国立病院は安く、設備も整っており、いい医師も多い。民営の病院は高い上に経験も浅く時々不祥事もある。日本の病院は対応がいい。なにかあっても電話をすればすぐに対応してくれた。中国の病院はいつも満室で順番待ち。きっちり診察してくれるが、待つ患者が多いため、効率的かつ迅速に対応する。
日本の国民健康保険に入っているので、最初の検診から出産するまでの費用は約16万円で済んだ。
困ったことは言葉。病院でまず聞かれたのは、「日本語大丈夫?」だった。日本語は話せるが、薬の名前や使い方についての話になると困った。看護師はだんだん早口になる。(O/中国)

 

姉がスリランカで出産。自然分娩の場合、国立病院では無料。食事は病院食を出してくれるがおいしくないので、お母さんが作って持って行く場合が多い。若い人は陣痛を嫌い、帝王切開を好む傾向にある。自分でどちらにするか選べる。生まれた後、トラブルがない限り、母子同室が基本。(T/スリランカ)

 

バングラデシュで出産。逆児だったので、産科、小児科、麻酔科の医師と看護師で相談し帝王切開することに決定。5日間入院した。バングラデシュの病院は面倒見がよく、管理もいい。
日本とサービスは同じだが、入院システムが違う。日本では面会は夫や両親などに限られ、一日に2?3時間だけ。バングラデシュでは、プランによるが、産婦の病室に赤ちゃんのベッド、付き添いの夫や祖父母のためのベッドも置かれている。5時間ごとに看護師がチェックに来るが、赤ちゃんの世話は家族がする。食事、おむつ、ミルクは付き添いの人が全て家から持って来る。
バングラデシュは人口も多いが病院も多いので、出産の申込がたとえ1カ月前であってもOK。
費用の半分は医療保険で、半分は自費で支払う。しかも保険会社や国の保険に加入している人は40?50%にすぎず、出産費用の負担は大きい。それでも、医療費自体は高くないので大丈夫。(J/バングラデシュ)

 

夫のすすめで日本で出産。手術後のや子どものビタミン剤が処方されなかったので不安だった。フィリピンでは出産費用が高いので、自宅出産も多い。一方で、最近は帝王切開の出産も増えている。(M/フィリピン)

 

りんくう病院で出産。システムがよく、何の問題もなかった。分娩のとき、英語を話せる助産師がいたお蔭で安心できたし、産科医の通訳もいたので大丈夫だった。(N/バングラデシュ)

 

日本の民間病院で出産。
中国の病院は、人が多くて、ベッドが廊下にまであふれている。国立の病院は、安いがサービスがよくない。入院期間は、自然分娩で3日、帝王切開で1週間。日本では、面会時間が決まっているが、中国では24時間面会OK。家族が泊まることもできるので、話し声がうるさく、産後ゆっくりすることができない。
日本の病院のシステムは良かった。戸惑ったのは、産んだ次の日にシャンプーをされたこと。中国では出産後は1カ月間はしない。革のシャンプー椅子が冷たく、体を冷やしてはいけないのにと心配になった。でも仕方がない、みんな座っているし大丈夫かな、と思うことにした。
入院中の食事は、中国では食堂でみんなで食べるが、日本は部屋まで運んできてくれる。ただ、中国では体を冷やす食べ物はよくないと言われているのに、産後すぐの食事にアイスクリームが出てきた時はびっくりした。(Y/中国)

 

現在、妻がりんくう病院に通っている。火曜日はいろいろな言語の通訳がいる。診察時はだいたい日本語で話せるが、医療用語など習ったことのない単語が出てきて分からないときは、医師が電話をかけると10分くらいで通訳の人がきてくれるので安心。中国人看護師もいる。(K/中国)

 

バングラデシュで出産。帝王切開の後、4時間後に赤ちゃんと面会。(R/バングラデシュ)

 

・スリランカには生まれた時間帯に与えられた縁起のいい文字があり、その文字を名前の頭に置いて名付ける。(N、T、N、Y/スリランカ)

 

・退院する時にへその緒をもらった。箱に入れてくれたので、後で箱を返しに行くと、これは返す必要がないと言われた。一生大切にします。
中国ではへその緒はもらわないが、胎盤をもらうことがある。産後のお母さんの授乳にいいので、薬やスープにする。(O/中国)

 

・ブルガリアで出産。国立の病院は出産費用は無料。国から子ども用のコスメ(保湿クリーム等)、子育ての雑誌などのプレゼントをもらった。退院のとき、おじいちゃんおばあちゃんが、お母さんと病院のスタッフに大きなブーケを贈る。
私立の病院は有料だが、サービスがよく、健診から出産までを撮影したビデオをもらえる。(S/ブルガリア)

 

・ 日本で出産。病院は相部屋だったので、友だちができた。私は国際結婚。友だちは日本人同士の結婚だけれど、九州や関東から大阪にお嫁に来た人たちで、共感できるところも多かった。母子検診の時にまた会ったりして、今でも友だちづきあいが続いている。(匿名/韓国)

 

・モンゴルでは、ほとんどの夫が妻の出産に立ち合う。出産する人が多いので、病院で子どもを取り違えられないか心配した。お医者さんが片手で赤ちゃんの両足をぶら下げて持ち、体重計に乗せ計量していた。ゲルに住んでいる遊牧民は父母などが出産を手伝う。ゲルの中心にある2本の柱につかまって出産する。(匿名/モンゴル)

 

・子どもの米国籍をとるために中国から渡米して出産する人もいる。妊娠がわかるとアメリカに行き約半年間滞在し出産。旅行ビザで入国し、中国人オーナーが経営しているベビーシッター付きプランの別荘に滞在する(アメリカ滞在期間中の費用は、プロのヘルパー付、食事別で約600万円。宿泊のみなら約300万円)。本来の目的とは違っているので、妊婦だとわかれば入管で入国前に強制送還されることも多い。(O/中国)

 

・中国の父母が日本の病院に見舞いに来たとき、とても驚いていた。病院はきれいで、みんなにこにこ挨拶をしてくれるし、2回目に行ったときは顔を覚えてくれていて病院を案内してくれた。中国ではそのようなことは考えられない。(Y/中国)