日本語指導レポート

2018年度ica日本語教室を振り返る

Japanese class 2018


ica日本語教室が発足してから25年が経過。関空をはじめ泉佐野近辺での仕事のために在留する外国人の増加に加えて技能実習生も増え、日本語教室の需要は確実に増えています。昨年3月に移転してから、通えなくなった指導者が多くなったため、第12期日本語指導ボランティア養成講座を開催し、この2月から新しく14名の先生が仲間入りしました。一方で、やはり移転に伴い日本語教室を希望する学習者の間に、アクセス面や時間のやりくり等の面で不都合が発生したり、新規学習者も申し込みしづらいようで、実際に開催できた日本語教室の数は昨年より減少しました。

2018年度日本語教室の世話役をして
                       世話役/大坪愛子 吉田喜代子

学習者と指導者が一対一の垣根を超えていろいろなイベントをしました。昨年の6月に開催した、毎年恒例の「みんなでにほんごはなしましょう」では、多くの方の協力もあり、身振り手振りを交えた楽しい発表を聞くことができました。この3月にはいつもの学習者と指導者の縦の繋がりだけではなく、学習者同士、指導者同士の横の繋がり、そしていつもの指導者、学習者ではなく斜めの繋がりも持ってもらおうと、一緒にお好み焼き、焼きそば、パンケーキを作り、そして食べながら交流をすることができました。同じ時間を共有し、話ができ、いろいろな繋がりができました。
 次年度もどんな形でも、また繋がりができたらいいなと思っています。新しい世話役の方にバトンタッチしますが、これからもできることはお手伝いはさせていただきます。1年間、ありがとうございました。
 

お二人が中心となって日本語教室を盛り上げていただき、ありがとうございました。2019年度もまた新しい世話役の方を中心に、学習者、指導者、事務局で盛り上げていけたらと思います。よろしくお願いします! ( 事務局)

【2018年度日本語教室データ】(2018.4~2019.2)

<行なわれた授業数>
月平均 74.3クラス(昨年132.3)
日平均  3.7クラス(昨年6.5)
<年間学習者(実人数)>…50人(昨年111)
<年間指導者(実人数)>…32人(昨年46)
<学習者の出身国数> …10カ国(昨年25)
●アジア/韓国、スリランカ、台湾、中国、フィリピン
●アメリカ/USA、メキシコ
●ヨーロッパ(NIS諸国含む)/ドイツ
●中近東/シリア
●アフリカ/ウガンダ

2017年度ica日本語教室を振り返る

Japanese class 2017


ica日本語教室が発足してからすでに24年が経過。関空をはじめ泉佐野近辺での仕事のために在留する外国人の数の増加により、日本語教室においても、授業回数、学習者数ともに毎年増えてきていましたが、3月の移転に伴い、アクセス面や時間のやりくり等の面で不都合が発生するケースが見られ、減少に転じつつあります。また、第11期日本語指導者養成講座を修了した先生がデビューしました。

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2017年度「日本語教室定例会」  世話役/村上純一郎 村田佐智子 松本直子

昨年の4月、日本語定例会の世話役を引継ぎ、最初の仕事が「みんなで日本語はなしましょう」でした。発表してもらう学習者の先生への依頼や、決まってからのプログラム作りなどは事務局の方々の協力も大きく、私達は前日の準備だけで スムーズに発表会を開催する事が出来ました。その後の2ヵ月ごとの定例会は、「外国人の生活者の為の災害時の避難」「外国人にタブーなジェスチャー 会話」「先生方のおすすめ教材」等開催させていただきました。出席していただける先生は正直少なかったですが、参加していただけた先生からは企画を喜んでいただけたと思います。来年度は少し趣向を変えてみてはという事で 次の世話役さんにバトンタッチをします。
今回、世話役をさせていただいて思ったのは、世話役だけでなくたくさんの先生方の協力があって定例会があるんだという事です。4月からの新しい日本語定例会は皆様のご協力を頂き、学習者や先生方が交流できる会にできたらと切に願い、29年度の世話役を終えたいと思います。(文責:村田)

【2017年度日本語教室データ】(2017.4~2018.2)

<行なわれた授業数>
月平均 132.3クラス
日平均  6.5クラス
<年間学習者(実人数)>…111人
<年間指導者(実人数)>…46人

<学習者の出身国数> …25カ国
●アジア/インド、インドネシア、韓国、スリランカ、タイ、台湾、中国、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、モンゴル
●アメリカ/USA、メキシコ、ブラジル、コロンビア、アンティグア・バーブーダ
●ヨーロッパ(NIS諸国含む)/ブルガリア、イギリス、スペイン、ドイツ
●オセアニア/オーストラリア
●中近東/シリア
●アフリカ/スーダン、ケニア

にほんご教室 My classこんな工夫をしています

「うんこを頭におく」。教室から聞こえてくる声に、事務局員も思わず吹き出してしまいます。昨年大ヒットとなった「うんこ漢字ドリル」のような例文で周恩駿くん(中国)を指導する松本さんにお話を伺いました。

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授業中の松本さん(左)と周恩駿くん。(右)ホワイトボードにはうんこの絵がいっぱい

万国共通!?

◆恩駿くんは、4月から小学生ですね。
松本: はい、入学準備のため、1月からicaでの勉強を始めました。

◆あの例文はどこから?
松本: この年齢の子どもは「うんこ」という言葉にすごく反応を示しますよね。たまたま最初の授業のとき、「大きい/小さい」を教えようとして、ぞうとねずみのうんこの絵を描きました。すると、そのうんこの絵にとても反応がよく、覚えるのも早かったんですね。それからは、うんこを絡めながら説明しています。子どもがうんこが好きなのは、世界共通ですね。うんこが出てくると表情が違います。恩駿くんの反応を見ながら、興味のありそうなものを取り入れて、語彙を増やしていくようにしています。うんこを「いっこ、にこ」と数えたら、「じゃあ、次はえんぴつは?ねこは?」という感じです。ひとつの言葉から、その場のひらめきで、どんどん発展させていくので、連想ゲームをしているようです。楽しく覚えてくれるといいですね。

 

日本語能力試験終わる

Japanese Language Proficiency Test
12月3日(日)


~ica 日本語教室で感想を聞きました~

・聴解が難しかったです。内容が多くて時間が足りなかったです。(N1受験者)
・リスニングの問題のスピードが遅くて、眠くなってしまいました(笑)時間が余って、2回見直すことができました。漢字はわからないものがありました。(N5受験者)

第11期日本語指導者養成講座修了

ica volunteer Japanese teacher training program
9月15日


  外国人への日本語指導とica日本語教室について学び、icaに溶け込むことを主眼に、6月に始まった第11期日本語指導者養成講座。9月15日に修了式を終え、10名の指導者が新たに誕生しました。

※修了式の後、先輩指導者との交流会を行いました。

模擬授業の様子
模擬授業の様子。ica日本語教室の”現役”学習者が生徒役を務めました。

<受講生の感想 (抜粋)>

日頃何気なく使っている日本語をこんなに考えてみたことはなかったので、講義の最初から“ガーン”と一撃をくらいました。こんな私で4カ月間のプログラムについていけるのかと心配で…。関連の本を読んだり、ハードな夏を何とかのりきれたかな?と思っています。(O.H.)

日常では何も考えずに遣っている日本語の難しさを実感することができました。(A.Y.)

模擬授業は自分の発表以外は楽しませていただきました。模擬授業後に1?2回、復習も含めて授業があればいいのではないかと思います。(Y.E.)

何気なく使っている日本語を改めて考えるということは、とても新鮮でした。と同時に、教えるということの難しさを知ることができました。まだまだ教える領域にいたっていませんが、一緒に成長できたらなと思います(T.Y.)

最初は不安がいっぱいでしたが、授業見学に寄せていただき、3教室を参観させていただく中で、その生徒さんに合う事をしてあげたらいいのだとわかり、これなら自分にも何か1つぐらいは他人のためにできるのではないか、と確信に変わっていく気持ちが自分でわかってきました。(K.K.)