日本語指導レポート

2017年度ica日本語教室を振り返る

Japanese class 2017


ica日本語教室が発足してからすでに24年が経過。関空をはじめ泉佐野近辺での仕事のために在留する外国人の数の増加により、日本語教室においても、授業回数、学習者数ともに毎年増えてきていましたが、3月の移転に伴い、アクセス面や時間のやりくり等の面で不都合が発生するケースが見られ、減少に転じつつあります。また、第11期日本語指導者養成講座を修了した先生がデビューしました。

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2017年度「日本語教室定例会」  世話役/村上純一郎 村田佐智子 松本直子

昨年の4月、日本語定例会の世話役を引継ぎ、最初の仕事が「みんなで日本語はなしましょう」でした。発表してもらう学習者の先生への依頼や、決まってからのプログラム作りなどは事務局の方々の協力も大きく、私達は前日の準備だけで スムーズに発表会を開催する事が出来ました。その後の2ヵ月ごとの定例会は、「外国人の生活者の為の災害時の避難」「外国人にタブーなジェスチャー 会話」「先生方のおすすめ教材」等開催させていただきました。出席していただける先生は正直少なかったですが、参加していただけた先生からは企画を喜んでいただけたと思います。来年度は少し趣向を変えてみてはという事で 次の世話役さんにバトンタッチをします。
今回、世話役をさせていただいて思ったのは、世話役だけでなくたくさんの先生方の協力があって定例会があるんだという事です。4月からの新しい日本語定例会は皆様のご協力を頂き、学習者や先生方が交流できる会にできたらと切に願い、29年度の世話役を終えたいと思います。(文責:村田)

【2017年度日本語教室データ】(2017.4~2018.2)

<行なわれた授業数>
月平均 132.3クラス
日平均  6.5クラス
<年間学習者(実人数)>…111人
<年間指導者(実人数)>…46人

<学習者の出身国数> …25カ国
●アジア/インド、インドネシア、韓国、スリランカ、タイ、台湾、中国、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、モンゴル
●アメリカ/USA、メキシコ、ブラジル、コロンビア、アンティグア・バーブーダ
●ヨーロッパ(NIS諸国含む)/ブルガリア、イギリス、スペイン、ドイツ
●オセアニア/オーストラリア
●中近東/シリア
●アフリカ/スーダン、ケニア

にほんご教室 My classこんな工夫をしています

「うんこを頭におく」。教室から聞こえてくる声に、事務局員も思わず吹き出してしまいます。昨年大ヒットとなった「うんこ漢字ドリル」のような例文で周恩駿くん(中国)を指導する松本さんにお話を伺いました。

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授業中の松本さん(左)と周恩駿くん。(右)ホワイトボードにはうんこの絵がいっぱい

万国共通!?

◆恩駿くんは、4月から小学生ですね。
松本: はい、入学準備のため、1月からicaでの勉強を始めました。

◆あの例文はどこから?
松本: この年齢の子どもは「うんこ」という言葉にすごく反応を示しますよね。たまたま最初の授業のとき、「大きい/小さい」を教えようとして、ぞうとねずみのうんこの絵を描きました。すると、そのうんこの絵にとても反応がよく、覚えるのも早かったんですね。それからは、うんこを絡めながら説明しています。子どもがうんこが好きなのは、世界共通ですね。うんこが出てくると表情が違います。恩駿くんの反応を見ながら、興味のありそうなものを取り入れて、語彙を増やしていくようにしています。うんこを「いっこ、にこ」と数えたら、「じゃあ、次はえんぴつは?ねこは?」という感じです。ひとつの言葉から、その場のひらめきで、どんどん発展させていくので、連想ゲームをしているようです。楽しく覚えてくれるといいですね。

 

日本語能力試験終わる

Japanese Language Proficiency Test
12月3日(日)


~ica 日本語教室で感想を聞きました~

・聴解が難しかったです。内容が多くて時間が足りなかったです。(N1受験者)
・リスニングの問題のスピードが遅くて、眠くなってしまいました(笑)時間が余って、2回見直すことができました。漢字はわからないものがありました。(N5受験者)

第11期日本語指導者養成講座修了

ica volunteer Japanese teacher training program
9月15日


外国人への日本語指導とica日本語教室について学び、icaに溶け込むことを主眼に、6月に始まった第11期日本語指導者養成講座。9月15日に修了式を終え、10名の指導者が新たに誕生しました。

※修了式の後、先輩指導者との交流会を行いました。

模擬授業の様子
模擬授業の様子。ica日本語教室の”現役”学習者が生徒役を務めました。

<受講生の感想 (抜粋)>

日頃何気なく使っている日本語をこんなに考えてみたことはなかったので、講義の最初から“ガーン”と一撃をくらいました。こんな私で4カ月間のプログラムについていけるのかと心配で…。関連の本を読んだり、ハードな夏を何とかのりきれたかな?と思っています。(O.H.)

日常では何も考えずに遣っている日本語の難しさを実感することができました。(A.Y.)

模擬授業は自分の発表以外は楽しませていただきました。模擬授業後に1~2回、復習も含めて授業があればいいのではないかと思います。(Y.E.)

何気なく使っている日本語を改めて考えるということは、とても新鮮でした。と同時に、教えるということの難しさを知ることができました。まだまだ教える領域にいたっていませんが、一緒に成長できたらなと思います(T.Y.)

最初は不安がいっぱいでしたが、授業見学に寄せていただき、3教室を参観させていただく中で、その生徒さんに合う事をしてあげたらいいのだとわかり、これなら自分にも何か1つぐらいは他人のためにできるのではないか、と確信に変わっていく気持ちが自分でわかってきました。(K.K.)

日本語指導者定例会

Japanese volunteer teacher’s meeting
8月4日(金)ica


 本年度の第2回日本語教室定例会が開催されました。日本語指導者養成講座の受講生5名も参加し、先輩指導者のみなさんの体験を聞いたり、アドバイスを受けたりしました。

定例会のようす
定例会のようす

<先輩指導者のお話から>

●勉強の目的を見極める
学習者ひとりひとり日本語を勉強する目的が違うので、その目的を見極めること。日本語を使う機会が他にないので、話し相手を求めている場合も多い。ときには、愚痴の聞き役になることも。その人の生活に何が必要なのかを考える。

●媒介語がない場合は?
スマホの翻訳アプリを使ったり、絵カードを活用する。電話連絡が難しいので、休みの連絡などは、ルールを決めておく。

●臨機応変に
初めから指導のスケジュールをびっちり立てても、その通りには進まない。進み具合を気にしない。

●触れてはいけないこと
宗教の話は避ける。個人的なことを初めから根ほり葉ほり聞かない。
何でもオープンに話す学習者もいるが、その場合は、聞き役に徹する。