教え方のヒント

摩訶不思議な小さな1語

A Small Magical Word


「これ、食べるよね」の「ね」について深く考えたことがありますか。

①相手が食べるに違いないとは思っているけど、一応試しに聞いている。
②せっかく作ったんだから、食べないなんて言うはずがないと促している。

このように、たった1語の「ね」が多くの日本語学習者を悩ましていることを知りました。

「ね」や「よ」という終助詞を研究しているエジプトからの研修生。彼女にとっては摩訶不思議な小さな1語。アラビア語にはない終助詞だが、日本語を話す者にとっては終助詞に救われていることが多いのかも。

ここ泉州ではやはり、「け」が活躍しているかな(笑)。 (K.A)

(icaNEWS 259号)

日本語が上達するにつれて

A tough problem for non-native speakers ~cultural gap

2013年10月

日本語が上達したのに、ちょっと困ったことが…。語学の習得には、文化ギャップによる表現の難しさが潜んでいました。

日本語が上手になって、友達を失う人がいる。下手なうちは、少々ずれたことを言っても、周囲の日本人は許容できる。子供に大人並みのことを要求しないのと同じだ。ところが、日本語が上達していくうちに、その人の日本語に文化の違いが表に出てしまい、日本人の側が許せなくなってしまうのだ。日本語学校で上級の学生から「給料いくらですか」と聞かれてカチンときてしまった。待ち合わせに遅れて謝るどころか、「先に行ったらいいのに」と言われて腹が立ったという話もよく聞く。自分のできることをアピールするのが当たり前という文化の人たちには、「わたしは~が上手です」と平気で言うだろう。
我々は、日本語が上手な外国人は、日本人と同じ考えや行動様式をするものだと思ってしまう。もう少し外国人とのつきあいが多くなれば、また変わってくるのだろうが。しばらくは、時々「日本人はそんな言い方をしません」と教えなければならないだろう。(澤田直子)

教えることについて センパイ指導者のみなさんが 語ったこと2012

~現ボランティア指導者学習者を囲んで~

 

 日本語養成講座の授業の一環で現役指導者とのフリートーク会が開催されました。
 初級者指導法の学習や模擬授業体験を終えた講座生のみなさんにica日本語教室の全体像について伝える試みです。

●教室の主体は学習者
日本語教室の主体はあくまで学習者であり、最初にすべきことは、彼らのニーズを把握することである。次にそのニーズに如何に応えるかを考え、準備することである。彼らのニーズは、例えば、ただ話を聞いてもらいたいということから、看護師試験、日本語能力試験等の勉強までと多様である。そのためには日ごろから日本語を学習することは言うまでもなく、出来ればあらゆる分野に関心を持ち学習することが望まれる。
【林さん】

●学習者の名前のよびかた
韓国人の学習者に姓で話しかけていたが、韓国では姓のみで呼びかけることはあまりないと知り、以後、名前で呼ぶようにした。国によって違うと思うので、初めにどう呼べばよいか尋ねるようにしている。
【熊取谷さん】

●助詞を教える場合の注意
助詞を教える場合、強調するのは最初だけにすること。最後までそのままだと不自然な日本語になってしまう。
●学習者にふさわしい日本語を
学習者にふさわしい日本語を教えるようにすること。男言葉、女言葉、若者言葉、方言と共通語、俗語等の問題についてよく考えておくこと。
【澤田さん】

●心がけていること
日頃日本語ボランティアとして私は次のようなことに心がけています。学習者が日本語ができないといって子供扱いをしないようにするとか、また、指導者が一方的に学習者に教えるというのではなく、できるだけ学習者に発話の機会を与え、活発な雰囲気になるようにつとめること等です。
【松井さん】

●長く続ける秘けつ
日本語を指導することにこだわらず、ボランティアという気持ち、交流ということを忘れずに気楽にボランティアを楽しむことが長く続ける秘けつだと思っています。
【高木さん】

 

 

中島透先生のにほんご教室ワンポイントアドバイス

しつもん① … 「行く」の助詞として、「京都へ行く」は正しいが、「京都に行く」は誤りか。「喫茶店に入る」は正しく、「喫茶店へ入る」は誤りか。(松本)

アドバイス …

「行く」の助詞に関して、「へ」「に」の使い方が分かりにくいとの疑問を抱く方が多いようです。初級の場合「行く」は、まず方向を示す「へ」で統一して教えるといいです。この時点で教師は「どこに行きますか」などとは言わないように気をつけてください。次に目的を示す「に」(みんなの日本語の場合13課)を教えてから整理します。つまり「明日、梅田へ映画を見に行きます」のような例文ですね。ここで方向と目的がはっきりするとおもいます。「喫茶店に行きます」と普段何気なく言ってしまうのは、そこへコーヒーを飲みに行くという目的部分が略された文だと理解すればいいでしょう。 続きを読む 中島透先生のにほんご教室ワンポイントアドバイス

先生のお道具箱

いつもicaを賑わせてくれているのが日本語教室の指導者&学習者のみなさん。 今回は日本語教室でボランティア指導に奮闘している先生方の手づくりアイデア教材に注目。 「こんな教材つくってみました」の声を集めました。

 

文字カード

ica日本語指導ボランティア養成講座で教わった文字カードです。 それぞれの文字はどっちが上かを学習者自身に判断させるために紙は正方形。 補助線を引いて、よく似た文字の見分けをわかりやすくしています。(Oさん)

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