大相撲に魅せられて

Fascinated with Sumo wrestling

 

 泉佐野市国際交流員のドルゴンさんは、icaの壁に貼られた大相撲の番付表を見て、「これは2009年のものですね」と即座に言い当てることができるほどの好角家。モンゴル出身力士との交流や大相撲に関連したお仕事のお話などを伺いました。

バヤルサイハン・ドルゴンさん/モンゴル

写真上)ドルゴンさん(右)と白鵬関

大相撲に興味を持ったのは、モンゴル出身の力士・旭鷲山の活躍がきっかけです。
一番印象に残っているのは、2002年の九州場所で、朝青龍が勝てば初優勝というときに、ウランバートルの朝青龍の実家で、ご両親と一緒にNHKの衛星放送を観戦したことです。日本語がわからないご両親のために、日本語の放送を通訳しながら観ていました(編集部注:ドルゴンさんは朝青龍関のお兄さんのお友達)。優勝が決まった瞬間、ご両親は抱き合って涙を流していました。「ぼくも入れて!」と間に入って一緒に抱き合って喜びを分かち合いました。このときの様子を写真に撮っていました。数年後に高砂部屋の稽古を見学に行ったときに、この写真を朝青龍にプレゼントしたら、ものすごく喜んでくれて、丁寧なもてなしを受けました。
大相撲の魅力は、「強い人が勝つ」という、どのスポーツよりもフェアなところです。八百長問題もありましたが、番付が上がったり下がったりするから、上位の力士も安泰ではなく、手抜きができません。
日本の大相撲雑誌を知人を通じて入手して、読んでいました。漢字もその雑誌で勉強しました。
2004年からモンゴルのテレビ局で、大相撲の解説をしていました。冬の間だけでしたが。モンゴルは日本と1時間の時差なので、放送は15:00?17:00。働いている人も多い時間帯ですが、大相撲はモンゴル人に人気がありました。NHKの映像だけを流し、ぼくが日本の音声を聞きながら、同時通訳のようなかたちで、解説していました。同時通訳と言っても日本の放送をそのまま訳すのではなく、内容を整理して、モンゴルの人がおもしろく感じるような情報を織り交ぜるように気を配っていました。例えば、記録を調べておいて「今日勝てば通算○○勝です」というようなことです。困ったのは、日本で大きなニュースがあって、大相撲の中継が長い時間中断されたときです。何とか放送をつなぐようにしましたが、喋ることがなくなり、勝手にCMを入れたりしました。
好きな力士は、千代の富士、貴乃花、栃東です。千代の富士の取り組みはビデオでしか知らないのですが。特に貴乃花が好きです。技はもちろんですが、礼儀正しく彼の人間性にも魅力を感じます。
2008年の大相撲のモンゴル巡業の際には、日本の新聞社の通訳を務めました。その後も力士にインタビューをする機会があり、力士の素顔を垣間見ることも多いですよ。人気者の力士の態度が意外にがっかりするものだったり、反対に怖そうなイメージの力士が気さくでいい人だったりすることもあります。
日本の大相撲の放送にも、依頼されたら出演してみたいですね(笑)。